モチベーションの下がった部下をアサーティブに励ます

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販売会社の営業チーフの片岡さんは、アサーションな営業方針で成果をあげてきました。
目下の気がかりは、部下の藤井さんの様子です。


というのは、藤井さんは毎日まじめに取り組み、新規開拓のために積極的に飛び込み活動を自主的に実行しています。
しかし残念なことに、せっかくの熱心さも空振りが多く、思うような結果に発展しません。
片岡さんは、熱心さが仇になって、見込みユーザとの間でアサーションな営業ができいぇいないのではないかと心配です。


最近は モチベーションにも翳りが出てきそうな気配が気がかりです。
モチベーションが下がってしまわない内に、早く手を打って、
現在の気持ちを成果につなげてやりたいと思っています。

こんなときに、どのようにサポートしてあげるのが、いいと思いますか?
次のような対策はどうでしょうか。

 1)「いまは苦しいだろうが続けることが大切だ」と激励する
 2)なにを改善したらいいのか具体的にアドバイスをする
 3)藤井さんの話を聴いてあげることに徹する



1)は、現状の問題点が引き出せないので、事実上解決につながりません。また態度や表情によっては不信につながることもあります。

2)一方的な指導になる場合があり、繰り返していると自律的なスキル育成の障害になってしまいます。

3)話を聴いてあげるのは大切ですが、これも具体的なアドバイスをしないと1)+3)の状態になります。



どれも間違いではありませんが、これらには落とし穴があります。どれも自分の視点になっていることです。相手目線で観ると より効果的なアドバイスがありそうです。


せっかく高まっているモチベーション、営業マインド、自律的なマネジメントを育むために、アサーティブに自他尊重したアドバイスをしてみましょう。



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まず、「ゴールと目標」を設定します。
「ゴールと目標」を設定するのは、アサーションの基本です。

 【ゴール(目的)】

 ・モチベーションをさらに高める・営業マインドをアップ・飛躍させるために、自律的なマネジメント・スキルを育む機会にする

  ゴールを少し欲張りましたが、この場合、相互補完の関係にあるので、問題ありません。
  この目的を達成するために、今回契約率の向上を成功させます。


  【目標】 契約件数(金額)】



以上を念頭において、アドバイスします。観察→分析→判断を使います。

 「観察→分析→判断」は「現在→プロセス→未来(目標・目的)」の時系列にもなっています。
 この3段階のアプローチがポジティブな構造になっている点にも注目してください。
 ポジティブな構造を 相手目線で進めることでアサーティブ になります。



 1)まず現在の状態を会話によって認識したうえで評価します
 2)現在に至ったプロセスを認識して、さらにその先のゴール(目標と目的)にジャンプするように背中を押してあげる。
 3)その計画について意見や悩みを聴きながら、必要なアドバイスを具体的にしてあげる。

 以上の3段階でコミュニケーションします。


なぜ?契約できないのか」ではなく、アサーティブに「どうすれば契約できるか」を、藤井さん本人の意見と悩みを聴きながら、話し合います。
このとき主役は藤井さんです。助言の域を出ないようにします。


この流れのなかで、2)の現在に至ったプロセスを認識するときに、モチベーションが高くなっている動機を知っておくことも重要です。
モチベーションを高めるためには、なにを大事にしているのか、どんな目的や目標があれば、がんばれるのか、それを知る事が重要です。


目的と目標の関係にも注意してください。
会社の目的 と個人の目的には違いがあるのが一般的です。
それぞれの目的を達成する手段になるのが目標です。
モチベーションが高くなっているときは、目的がある場合が多いので、しっかり認識して受けとめてあげます。目的がない場合には持つようにアドバイスが必要です。


それによって、2)で言う、その先のゴール(目標と目的)にジャンプするように背中を押してあげる条件が変わってくることがあります。


チャレンジ志向の人もいれば、安定志向の人、自由志向の人もいます。
自主的にがんばっているからチャレンジ志向ということでもありません。
またその時々で志向も変わります。
よく知った間柄でも、勝手な決めつけは、相手を尊重していないことになります。


励まし、応援のつもりが、尊重していないと思われたのでは、なにをしているのかトホホです。
自分のやり方を押しつけたり、自分の都合のいいように誘導せずに、相手のことを本気になって考えてあげることがアサーティブな態度です。

アサーションな関係の基本である自他尊重を大切にした行動が大切です。


 今回のアサーティブなポイント

 ・観察→分析→判断の3段階はポジティブな構造
 ・相手目線で使えばアサーティブになる。


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