GIVE&GIVENとアサーション

GIVE&GIVENとアサーション なぜGIVE&TEKEでなく、GIVE&GIVENなのか


人間関係には、大きく分けると共同的人間関係交換的人間関係があります。

相手の喜びは自分の喜びとする共同的人間関係はビジネスシーンでは、GIVE&GIVEN になる傾向が強いので、失敗することが多いのが特徴です。したがってビジネスシーンでは交換的人間関係に偏る傾向があります。


ところが[[マートワンのビジネス・アサーション]]では、GIVE&TAKEでなく、GIVE&GIVENを推奨しています。わざわざ失敗することを推奨するのかと誤解されますが、GIVE&GIVENと相手の喜びは自分の喜びと違うものです。


GIVE&GIVENと相手の喜びは自分の喜びを同じ感覚で捉える方には、GIVE&GIVENに懸念を抱き、GIVE&TAKEを選択するようになります。そのくせWIN-WINを標榜したりするという矛盾に気がつきません。
この間違いの原因は、アサーションアサーティブの理解不足から生じている「GIVE&GIVEN=相手の喜びは自分の喜び」の図式です。これではアサーションになりません。


アサーション権でご説明したように、自分を大事にして相手も大事にするアサーションと、相手の喜びは自分の喜びとする生き方は全く異質で、後者はアサーション権を手放すことでしかありません。GIVE&GIVENは、自分を大事にして相手も大事にするためです。


その理解を深めていただくには、より大きな人間関係といえる「共同体」への認識を深めていただくのが早いのではないかと思います。
共同体は以下のように大別できます。


・地球家族
・アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニア
・国
都道府県
・組織、集団、グループ、町内
・家族
核家族
カップル、友人


共同体を意識として捉えている範囲には個人差がありますが、実際には人間はいくつもの共同体に属していて、互いに影響を受けまた与えている相互依存の関係にあります。


マートワンのビジネス・アサーションでは、これら共同体との関わりを「戦略の3C」を使ってフレームワークします。
戦略の3Cとは、.Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3Cのバランスを熟慮して効率的なリソースを行うことです。


マートワンのビジネス・アサーションでは、しきりに相手目線で考えることを強調しています。この3Cについても同じで、自分目線で観るのと、相手目線で観るのでは全く違った風景にもなります。
念を押しておきますが、自分を大事にして相手も大事にするのは、目標を達成するための在り方として効率がいいからです。併せてテクニックではなく在り方であることも念を押しておきます。

マートワンの[[ビジネス・アサーション]]では、この3Cを共同体として捉えています。つまりチームワークです。


では、

・チームワークを果たせる「人間力
・チームワークを果たす「適材適所」
・チームワークで果たす「目標達成」

の3つの角度から観ます。



【チームワークを果たせる人間力


人間という生き物は

・自分の判ることは聴く
・自分の判ることはする
・自分がうまくできることをする
・自分が認識していないことは変えられない


以上のような特徴を持っています。

自分が認識していないことは変えられない」とは、少し注意が必要です。意識的に認識しない、あるいは無意識を装っていても潜在意識では気がついているが、認識すると怖いので無視していることが少なくないことです。


これらのことから「人間の能力の限界」を感じ取っていただけると思います。しかも、

・自分の求めているものを要求する特徴があります

以上の4つの特徴から、物事を判っているか、いないかで、結果は変わってしまうのは、自明の理であることが判ります。結果は行動に報いるからです。

自分が理解出来る範囲のことしか興味を持たず行動もしないのですから、得られる結果もその範囲に限定されるということです。それが「効率」になります。

これが共同体とどう関係していているかというと、共同体を顧客から観たチームワークとして捉えるとA社の担当者より、B社の担当者の方がチームワークを果たせる「人間力」の点で上だと判れば、B社の担当者を選ぶということです。その方が適材適所のチームワークができるからです。
ところが自社の目線で考えると、なんとか教育して改善させようと考えます。適材適所のチームワークを無視した傾向に傾きます。


【チームワークを果たす「適材適所」】

次にチームワークを果たす「適材適所」の観点で観てみます。
効率を良くするには、人間の特徴を考慮が欠かせません。いやなことはしないという特徴を活かすには、いやなことはさせない、やりたいこと
をやらせるに越したことはありません、人間は自分の求めているものを要求するからです。
これを自社の目線で考えると、いやなことを克服させようとします。しかし、相手目線では、いやがっているとしか観ないということです。



【チームワークで果たす「目標達成」】

先にあげたことで、すでに目標達成するために、どうしたらいいのかは明確です。明らかにB社を使えばいいことになります。

では、A社はどうしたらいいのでしょうか?答えははっきりしています。


人間という生き物は

・自分の判ることは聴く
・自分の判ることはする
・自分がうまくできることをする
・自分が認識していないことは変えられない
・自分の求めているものを要求する

この習性に変化を起こすには、このキャパシティーを拡大するしかないのです。
教育、教育、教育、教育、教育、教育、教育に次ぐ教育と、学習、学習、学習、学習、学習、学習、学習に次ぐ学習が壁を突破します。

ところが、この教育と学習をはねつけます。なぜなら自分の判る、できる、認めることはするが、そうでないものは、しない、認めないという性質によって遮断されるからです。

つまり、顧客を中心にしたチームワークでは、「ものごとが分かっていない者」は、必ずと言ってよいほど、排除されてしまうということです。
だから「ものごとが分かっていない者」にならないようにします。


ですから、

・自分の判ることは聴く→自分の判らないことは積極的に聴く
・自分の判ることはする→自分の判らないことは積極的にする
・自分がうまくできることをする→自分がうまくできないことは積極的にする
・自分が認識していないことは変えられない→自分が認識していないことを認識する

以上のような変化を自ら求めることです。
(但し、これには注意が必要なので、次回と併せて読んでください)


3Cのバランスを熟慮して効率的なリソースを行うのが「戦略の3C」だと説明しましたが、効率的なリソースを行うには、人間力を高めておかないと太刀打ちできないことを意味しています。
自分を大事にする点で教育、学習は最も最優先することです。
自分の判ることを増やす、できることを増やす、認めることを増やす、俗にこれを視野を広げると言いますが、視野を広げないと客観的な見方もできないので、自分のことも判らないということになり、自社のチームワークも機能しなくなります。

先に、結果は行動に報いると言いましたが、ストレスが生まれる原因はここにあります。
その改善は、効率の改善につきます。チームワークで動いているので、相手のメリットが少ないと自分のストレスは増える構造になっています。

つまり、自分の扱い方を教えているのは自分だということです。
自分の行動がアサーションから離れ、アサーティブでないことをしていた結果であれば、人権を持ち出しても、「人権を無視したのはあなた自身だ。勝手なこと言うな」と一喝されてしまうのがオチです。

念のために言っておきますが、アサーティブとは、自分のしたいことをすることです。アサーティブで獲得するWIN-WINとは、共同的人間関係であっても、相手の喜びは自分の喜びではなく、相手も喜び、自分も喜ぶものです。

GIVE&GIVENは、自分を大事にして相手も大事にするためです。と言ったことがお判りいただけたでしょうか?



「お客様に喜んでもらえるようにサービスをよくしましょう」という表現は同じでも、使っている人の考え方、行動の在り方で、意味は全く違ったものになります。
だから、人間は話し合う、通じなくても、通じないからこそ話し合う。通じないからアイツはダメだと言わずに、人間的価値を信じて伝える。
もう、そこにはGIVEしかないところまでやりきればサービスはホスピタリティになります。


しかし、忘れないでください。
ビジネスはコミュニケーション力ですが、効率を要求するコミュニケーション力です。

効率とは時間性です。期限のない目標はありません。

そこで、 別の角度から考える問題が出てきます。


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