アサーション権の基礎「じぶん内の力」と「じぶん外の力」

現在、マートワンのビジネス・アサーションでは、アサーション権を次の9つにまとめています。

 1.自分の行動を自分で選択して実行する権利
 2.他者と違う自分の価値観を大切にする権利
 3.(知らない、できない、分からないなど)不完全であってもいい権利
 4.論理的な説明できなくてもいい権利
 5.自分の意見を主張しない権利
 6.間違いや失敗をする権利とその責任を果たす権利
 7.自分の考えや意見、行動を変更する権利
 8.他者の困難に対して援助の選択を自分で判断する権利
 9.周囲の期待に応えなくて良い権利


この9つのアサーション権を総括した重要かつ基本的な考え方が、ひとはみんな誰からも尊重され、大切にしてもらう権利があるという点です。
言い方を変えれば、個人の尊厳は誰からも侵されることはないし、侵してはいけないということになります。
個人の尊厳とは、気持ち、考え、意見、欲求、希望、価値観を尊重するということです。

この考え方をほとんどの人は、分かってはいるものの、実際には、なかなか実行できないと思うのではないでしょうか。それぞれのビジネスシーンで考えてみてください。社内、社外でどうでしょうか?


さらに、私たちはよく自分で「仕事のため」「家族のため」というような表現をします。あるいは「やらなければならない」「仕方がない」という言い方もします。
それが、本心であれ、建前であれ、このような言い方の陰には、本人と周囲のひとの心を台無しにしている軽々しさを感じます。さらにその向こう側には、アグレッシブ(攻撃的)、あるいはノン・アサーティブ(非主張的)な言動、態度が見え隠れします。

アグレッシブ(攻撃的)、ノン・アサーティブ(非主張的)な言動、態度は、一体、どこからこういった人権を無視した間違いは起こってくるのでしょしょうか?それはここにありますと言えるくらいなら問題の解決は容易いのですが、残念ながえそうはいきません。
そうはいきませんが「マートワンのビジネス・アサーション」は判りやすく伝えられるように挑戦します。



ひとは自分の価値をどのようにして決めているのでしょうか?その基準はどこにあるのでしょうか?
そのもっとも基本的な問題への私の回答が「じぶん内の力」と「じぶん外の力」です。「じぶん外の力」とは、自分の外側の力、つまり他者の評価で決まる力です。他者の評価で決まる力とは他者の基準で変わる力のことで、それは他者の数だけ評価があるということです。

もし自分を他者の評価に委ねたらどうなるか、想像は容易です。評価する方も絶対的な基準がないので、ある一定の物差しを「世間の平均」に求めます。
地位、肩書き、年収、専門知識などがそうです、組織などに在籍している限り有効な力であるものがほとんどです。

一方、じぶん内の力とは、判りやすくいうなら、いまひとりで外国に行っても通用する力と考えてみてください。地位、肩書き、年収、専門知識などほとんど通用することはありません。まず、なによりひとに不安や恐怖を与えない安心感、常識、素直さ、明るさ、柔軟性、気遣い、優しさ、ひとに好かれる性格、迅速さ、積極性、行動力、強い好奇心、情報の収集力と整理力、幅広い問題意識などです。これらは広い範囲で人に慕われるだけでなく、リーダーシップに欠かせないスキルで、生涯使える力す。



もし、あなたが、表向きはともかく、本音では、自分のことしか興味がない、快適なことしか興味がない場合は、どうなるでしょうか?
恐らく、じぶん外の力も、じぶん内の力も高めることは困難です。特にじぶん内の力も高めることは絶望的です。
さらに共同体とのコミュニケーションに支障が起こることは必至です。

程度の違いはあっても、コミュニケーションに歪みがあれば、ビジネスは正常に展開しなくなります。
ビジネスとはコミュニケーション力につきます。集団の力は個人の力の集積ですから、個人の力が弱いと集団の力も弱いのは当然です。個人の力、人間力とは人間関係力に尽きます。人間関係力とは俗に言う人付き合いがいいとか、人がいいということではありません。それがどんなことであれ、自他の尊厳を守り、自分の役割を果たせて相手を安心させられる力です。(マートワンが定義づけた男前、ハンサムウーマンの基礎です)



私たちはビジネスシーンで、ひとを評価するとき、地位、肩書き、年収、専門知識を重視しているのか、安心感、常識、素直さ、明るさ、柔軟性、気遣い、優しさ、ひとに好かれる性格、迅速さ、積極性、行動力、強い好奇心、情報の収集力と整理力、幅広い問題意識に注目しているのか、はたしてどちらでしょうか?

「バランスだ」という回答が多いと想像しますが、では実際のところ、バランスとはどういうことでしょうか?
バランスの基準が個人の主観になった場合の事例をご紹介します。自分の主観で良いものと悪いものを切り離す。あるいは自分と異質なものを良くないものとして扱い、自分と同質、良いと思うものはあばたもえくぼ的に理想化する。
判る人には判るようにこれはステレオタイプの単純で画一的なパターンです。人間は不安があるとステレオタイプに陥り、分裂した2面性がはっきり出ますが、常習化している人も少なくありません。典型的なスイッチチェンジができないタイプの方ですが、問題はスイッチチェンジができないに留まらずドラマ的な交流をしてしまう人たちです。

そして、こういう方にこそ、どしどし、人権を行使するようになっていただきたいのです。言い方を変えると、人権を軽視されていると感じている方ですが、軽視の張本人は実は当人であることです。
アグレッシブ(攻撃的)、あるいはノン・アサーティブ(非主張的)な言動、態度は、自分が自分の価値を引き下げている証明なのです。

マートワンのビジネス・アサーションは、そういう方はもちろんですが、すべての人を対象にしています。
ビジネス・アサーションWIN-WINな関係を構築するのが目的であり、そのプロセスを通じて、自らのライフスキルを高めて、すべての方が幸福で健康な毎日を手に入れることを目的にしているからです。


◎マートワンから「アサーション権」についてお願い

アサーション権の定義について、ご説明しています。アサーション権についての言葉づらだけでアサーションを解釈されることがないようにお願いします。
言動、態度、表情、行動など状況の背景に隠された動機があることが少なくありません。動機の認識なしに、言葉づらのアサーション権を適用されるとひとを傷つけ、状況を悪くすることがあります。くれぐれもご注意ください。




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